3歳児の夜尿(おねしょ)とおもらし
2016/09/21
3歳児の夜尿(おねしょ)とおもらしは、まだまだ訓練が必要です。
思えば、つい数か月前まではオムツをしていた子どもです。
失敗してしまうのは「あたりまえ」なのです。
そもそも、おしっこが膀胱にたまっているという感覚を脳に伝える神経回路ができるのは、2歳頃と言われています。
ちょうどその頃、言葉が発達し、自分の伝えたい言葉を表現するようになります。
排せつという行為は、自分の身体を自分の意思でコントロールできるということ。
言葉にしてみると、すごいコントロールですよねっ。
ここで大切なのは、本人の「達成感」「やる気」です。
パパママがゆとりをもって、楽しく取り組んでいきましょう。
夜尿(おねしょ)
夜尿は、尿をためる膀胱の大きさと、夜間睡眠中に作られる尿量とのバランスが悪く、無意識のうちに尿が膀胱からあふれて下着や衣服を濡らしてしまう状態をいいます。
幼児期にみられる夜尿は、ほとんどが生理的なものであり、心配のないことだと言われています。
そして、夜間の睡眠中に分泌される坑利尿ホルモンの分泌が盛んになり、夜尿は成長とともに減り、3歳になると、おおよそ半分が夜尿をしなくなり、5歳~6歳では8割が夜尿をしなくなります。
このように、夜尿のほとんどが発達過程におきる生理現象といえます。
夜尿は病気ではありません
子どもの排泄の自立は、お昼から → 夜の順に進んでいきます。
日中、パンツですごし、お漏らしをしなくなっても、夜はオムツが必要な子どもは少なくありません。
そして、夜尿は、特別な病気ではなく、発育の一時期にみられることにすぎません。
問題なのは、子ども自身が恥ずかしいとか、劣等感をもつことです。
とくに、年長の子どもほど、本人自身の大きな悩みとなるので、失敗しても親は気にかけないことが大切です。
夜尿の原因は?
排尿は、3歳くらいになると自分の意思によって、ほぼコントロールできます。
しかし、幼児期は、おしっこの反射をおさえる神経の発達がまだ不十分なので、失敗はよくあることです。
この場合、脳や知能の発達とは関係ないので心配はありません。
なお、6歳以降になっても頻繁に続く場合は、夜尿症として生活指導や治療が必要になりますので注意してください。
夜尿の起こりやすい場合
夜尿は、
- 昼間の激しい運動で、身体が疲労する
- ストレスで心が心労する
- 風邪などで、薬を服用している
- 寝る前に水分をたくさん取る
- 早寝・早起きの身体のリズムが乱れる
などの理由から、目覚めにくくなるときに、夜尿はおこります。
また、母親がそばにいない夜に限って、夜尿をおこす子もいますが、これは母子の関係に不安を抱く要素はないかなど、日ごろの子どもの様子をよく観察してください。
夜尿の対処方法
生活指導を行っていきます。
(夜中に)起こさず、焦らず、怒らない
の3原則を守って、生活指導を行いましょう。
(1)夜中に起こさない
これは、ワタシ自身、勘違いしていたことなのですが、「夜中に起こす」ことは、一見賢明な方法のようにも思えます。
しかし、数回は成功することがあっても、睡眠のリズムが乱れ、朝までしっかり膀胱にためる習慣もつかないため、かえって、夜尿を長引かせてしまう原因になります。
(2)水分を取り過ぎない
水分の取り方に工夫をします。
朝と昼に多めに与えて、夕方からの水分をやや控えましょう。
ゴクゴクを飲ませるのではなく、ひと息ついてから飲むように導きましょう。
(3)塩分を取り過ぎないように注意
塩分の取りすぎは、水分の補給が必要になりますので、日頃の食事や間食は、薄味にすることも大切です。
特に、おやつの時間のスナック菓子は、子どもにとって塩分が強くなります。
気を付けましょう。
(4)室温を調節する
部屋の温度が寒いと夜尿をしやすくなります。
- 寝る1時間前から、部屋の温度を暖かくしておく
- 湯たんぽなど、寝具を暖める
- 寝る前、お風呂にゆっくり入る
などの工夫をして、暖かい状態で睡眠を取れるようにしましょう。
(5)膀胱に溜めてからトイレへ行かせる訓練をする
日中のおしっこは、モジモジしたからといってすぐに促さず、心持ち、膀胱にためてからトイレへ行かせるようにします。
しかし、無理に我慢させるのではなく、徐々にトイレへ行く回数が減っていくようにしましょう。
4歳後半・5歳になっても夜尿の回数が減らない場合
しかし、中には病気の場合があります。
4歳後半・5歳になっても夜尿の回数が減らず、続くようでしたら、医療機関に相談した方が良いでしょう。
おもらし
3歳~4歳児は、おしっこをギリギリまで我慢するので、おもらしはよくあることです。
口うるさく注意することはさけ、次のような工夫をしてます。
おもらしの対処方法
(1)タイミングよく声をかける
子どもの排尿回数は、ほぼ一定しています。
まずは、そのことを頭に入れておきましょう。
親が子どもをよく観察して、午前・午後・夜とそれぞれの回数の見当をつけておきます。
そして、うるさく注意すると逆効果なので、
- 外に出る前にトイレに行くよー
- ご飯だから、おしっこして、手を洗うよー
- 絵本を読んで、寝る前におしっこに行くよー
子どもの行動の区切りがよいときに、自然な声かけをしましょう。
(2)叱らず、失敗の後始末を早くする
失敗したときに叱ると失敗を隠すようになります。
「おや、うまくいかなかったね」と軽く扱うことがポイント。
親はあっさりとした態度で下着を取りかえる。
また、子どもが自分で取りかえられるように、下着のある場所を決めておくことも大切です。
(3)脅かしはNG
おもらしした時のNGワード
- 幼稚園には行けないよー
- おやつは無しだよー
など、脅かすことは何の意味もありません。
かえって子どもに恐怖感を与えることになりかねません。
おもらしは、成長とともになくなります。
そして、おもらしをする期間は、ほんとうに短いのです。
懐かしく思う日が必ずきますので、ママは安心して見守ってあげてください。
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