子どもを上手に叱る
親が子どもを叱るのは、良い子にしたい・良いしつけをしたいと思うからですが、叱り方によっては逆効果になってしまうことがあります。
幼児期の子どもには、上手な叱り方が大切です。
また、叱る側と叱られる側の関係で一番大切なことは、信頼関係がきちんと育っていること。
親子だからといって、信頼関係がもれなくついてくるわけではありません。
日頃から話をよく聞いてもらっている子どもは、親に叱られも傷つきません。
特に、子どもの不注意や失敗に対し、決して感情的に叱ってはいけません。
もし、子どもが食事中に牛乳をこぼしてしまったら、あまりやかましく言わないで
「次から気を付けようね」
と言ってあげましょう。
親が寛容な気持ちで子どもに接すれば、子どもは失敗を恐れないで、意欲的に物事に取り組んでいけるようになるでしょう。
次に、具体的な上手な叱り方と失敗例を紹介します。
上手な叱り方って?
上手に叱るポイントは、子どものプライドを傷つけないことです。
子どもにプライド?とお思いになるかもしれませんが、親が思う以上に子どもはプライドが高いです。
なので、
「お兄ちゃんと比べてお前はダメだな」
「○○ちゃんはできているのにお前は出来ないな」
などは、決して言ってはいけません。
子どものプライドが傷ついてしまいます。
親は、子どもの心を傷つけないで、内容を具体的に指摘してあげればいいのです。
例えば、
「口に物が入っているときはお話はしないよー」
「外から帰ってきたら手を洗うよー」
「今日できなかったことは、次がんばろうね」
こんな風に、子どもにやって欲しいことだけを言ってください。
親が感情的に言うと、単純な注意でも叱ってることになります。
くり返しになりますが、ポイントは子どものプライドを傷つけないことです。
その他、具体例をいくつか紹介します。
・人格を否定しない
「あなたがしたことは悪い、でも、あなたは悪い子ではないと思うよ」
「この次は、失敗しないようにしようね」
・あなたは価値ある存在、と自覚させてあげる
「あなたはちゃんと考えることができる子だからこそ、ママは叱っているのよ」
・子どもの成長の過程を信じる
「この次は、どこが悪かったかを考えてやっていくと、きっとうまくいくと思うよ」
叱り方の失敗例
・事実を確認しない
話を聞かずに一方的に叱ったのでは子どもは納得せず、親への不信感がつのります。
・理由を聞かない
なぜ失敗したのか、悪いことをしたのかを考えさせない叱り方は、次の失敗を防ぐための学習につながりません。
・他の子どもと比較する
「○○ちゃんをみてごらんなさい」などは、子どもにとっては素直に受け入れにくいので避けましょう。
・叱りっぱなしにする、以前のことを持ち出して叱る
いつまでも許さない大人の態度や何度もも同じことを叱ると、子どもは、自分に対する自信や意欲がなくなります。
・その場で叱らない(後で叱る)、自信のない叱り方
過ちを起こしたときにすぐその場で叱らないと、子どもは切実には感じません。
子どもの顔色をうかがいながら、自信のない叱り方では効果がありません。
・叱らない例外をつくる
「今日だけよ」「今だけ」「ここだけ」など、親の都合で叱ったり叱らなかったりすると、子どもは何がよくて悪いのかの判断が身に付かなくなります。
・叱り方のワンパターン化
危険なことをしたとき、明らかに悪いことをしたとき、遊びのはずみで物を壊したり散らかしたりしたとき、どちらも鬼の形相で、時には体罰を伴って起こり散らかすのは、効果が期待できません。
命の大切さや人を傷つけることと物を壊すことの違いを、子どもに気づかせる機会も、奪うことになるでしょう。
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