小学校入学までに学ばせたいこと、小学校入学準備
小学校の入学準備というと皆さんはどのような事を考えますか?
「数がわかる」「文字がかける」などをイメージするのではないでしょうか。
しかし、そうではありません。
小学校に上がる前に子どもが身につけなければならないことは、次の3つです。
(と、筆者は身に染みています…)
- 人のはなしを「聞くこと」
- いろいろなモノを「見ること」
- 新しいものに積極的に目をキラキラさせて挑戦し「触れること」
この3つを学びの基本形にして身につけていくべきです。
机上で答えが出てくる知識は、幼児期にはまだまだ必要ありません。
人のはなしを「聞くこと」
一つ目の、人のはなしを聞くことは、とても難しいです。
大人でも、人のはなしを聞けず、会話を遮り、自分の話にすりかえてしまう人がいますね。
小学校にあがると、
- 先生のはなしを最後まで「聞く」
- お友だちの意見をきちんと「聞く」
この両方ができないと、勉強がわからなくなったり、人の気持ちに寄り添えない子どもになります。
え?
と思われるでしょうが、私はそう断言したいです。
勉強も運動も、話をきちんと聞いて、頭で理解し実行できる子が伸びていきます。
そして、人の話を聞ける子は、お友だちの気持ちに寄り添い、共感し、心がぐんぐん成長していきます。
年長さんでは、もう、この「聞くこと」の大切さを感じているお母さんは多いのではないでしょうか。
よく、まわりを見てみてください。
「おりこうさんね」と言われる子は、姿勢を正しくし、集中して先生のお話を聞いている子です。
小学校にあがると、落ち着きがなくまわりをキョロキョロしているお子さんがいます。
そして、年長さんの時期に、まだできなくて問題ありません。
都内では、夏休み明けまで補助の先生が1人付きます。
担任の先生と2人で、子ども達が話を聞けるように指導していきます。
具体的には、
- 良い姿勢を保って授業を聞く
です。
この良い姿勢をすることで集中力を高め、その結果、先生のはなしを最後まで「聞く」ができるようになるのです。
まずは、良い姿勢ですね。
小学生にあがる前の春休みには、是非、良い姿勢を教えてあげてください。
そして、「いい姿勢だね。」と褒めます。
良い姿勢→ 集中力アップ→ 先生のはなしを最後まで「聞く」
を1年生の夏休みが終わるころにはできるようになりましょう。
いろいろなモノを「見ること」、「触れること」
二つ目の、いろいろなモノを「見ること」とは、実際に見ることです。
「知識として知っている」ではなく、「実際に見たことがある」です。
机上ので学習の前に、実際に見て体験する!ことが大切です。
何が違うの?と思われるかもしれません。
しかし、知識として知っていると実際に見たことがあるでは、全く違うものなのです。
そして、三つ目の、新しいものに積極的に目をキラキラさせて挑戦し「触れること」とは、「見ること」の次のステップです。
少し難しい説明になりますが…
目(視界)からの情報は、脳に入って周囲を知ることには役立ちますが、知識として知っている内容(机上での知識)から目を通して外界に働きかけることはできません。
同じく、舌(味覚)、耳(聴覚)、鼻(嗅覚)も働きかけることはできません。
しかし、手や足だけが感覚を受け止め(=インプット)、それぞれに合わせた運動を行う(=アウトプット)器官だといえます。
わたしたち人間は、目・耳・舌・鼻でさまざまなことを判断しているように思われがちですが、同時に感覚(手指、身体の感覚)で判断していることがほとんどです。
手や身体を使う動作を考えてみてください。
初めて平均台に挑戦する子どもは、
見て覚る→ やって覚える→ 教わって覚える→(自ら学びたいとろが出てきて)学んで覚える
というように、発展していきます。
具体的的には、
- まず、親が手本を見せる(見て覚える)
- 次に、目をキラキラさせて失敗しても自分でやってみる(やって覚える)
- 次に、親におそわりながら、手伝ってもらいながらやってみる(教わって覚える)
- 最後に、1人で何度も練習してコツをつかんで成功します(学んで覚える)
すごいですね!
手や身体を使う動作には、この学びの基本がすべて含まれているのです。
何かを学ぶということは、これら4つのステップを順に発展させていくことです。
繰り返しになりますが、机上での知識は、まだまだ先でいいのです。
小学校にあがるまでに、「聞くこと」「見ること」「触れること」を通して学んできた子ども達が、学童期にぐんぐん伸びていきます。
遊びや運動、手伝いなどの細かい手作業などを通して、子どもが学びの基本を体験できるように努めていきましょう。
就学前に伸ばしたい遊びや勉強
では、年長さんも終わりになった頃に意識して伸ばしたい遊びや勉強を紹介します。
遊びや勉強といっても、5歳ー6歳児です。
やはり、お手伝い感覚のお仕事や、お母さんと触れ合える遊びがおすすめです。
子どもの手仕事を増やしましょう
年長にもなると、どのお母さんも、子ども達にずいぶん手仕事をさせているでしょう。
でも、まだまだ就学前に経験させてあげたい手仕事があります。
できるの?と思われることもありますが、大丈夫です!
まだまだ完璧とはいきませんが、就学前にどんどん経験させてあげましょう。
いくつか例をあげておきます。
ぜひ、挑戦させてあげてください。
- 輪ゴムで鉛筆を束ねる
- 弁当箱を包む
- 缶詰を開ける
- ゼムクリップで紙をとめる
- 傘を干す
輪ゴムやゼムクリップは、少しイヤイヤされるかもしれません。
あせらず、ゆっくり教えていきましょう。
本の読み聞かせをする
そろそろ字が読めるようになってきたので、本を自分で読み始めているかと思います。
しかし、通っている幼児教室の先生がおっしゃっていたことなのですが、本の読み聞かせは小学校の高学年まで続けてもいいとのことでした。
小学校6年生になって、ママやパパが読んでいる本に耳を傾けてくる子どもに成長していたら、なんだか子育てが成功だ!って思ってしまいますね。
(子育てに失敗も成功もありませんが…失礼しました。)
話を戻して…
実は、本の「読み聞かせ」は、先ほど書きました3つ(聞くこと、見ること、触れること)がバランスよく組み込まれた仕掛けです。
- お母さん方が読んでいる時、集中して「聞くこと」
- 色鮮やかな絵や、表情豊かな絵を「見ること」
- 絵本で学んだ知識を「やってみたいなぁ」「行ってみたいな」と実際に「触れる」機会がでる
そして、何よりも学童期に最も必要な「ことばの力」を自然に育むことができます。
例えば、桃が「どんぶらこぉ どんぶらこぉ と流れてきます」
「むかし むかし あるところに」
など、日常会話では出てこないたくさんの言葉があふれていますね。
絵本の読み聞かせ!この幼児期にたくさん読んであげてください。
知って欲しい絵本をいくつか紹介しておきます。
○世界のお話
- 赤ずきん
- みにくいあひるの子
- 小人のくつや
- 金のおの、銀のおの
- ジャックとまめの木
- 3びきの子ぶた
- ヘンゼルとグレーテル
- うさぎどんとタール人形
- 大きなかぶ
- 3びきのくま
- しらゆきひめ
- ねこが顔をあらうわけ
- マッチ売りの少女
- ブレーメンの音楽隊
- はだかの王様
- 3びきのやぎのガラガラドン
- こなやの親子とろば
- 町ねずみと田舎のねずみ
- 父さんのすることにまちがいはない
- アリババと40人のとうぞく
- ぞうのはなはなぜ長い
- おおかみと7ひきの子やぎ
- しあわせの王子
○にほんのお話
- 花さかじいさん
- ねずみのすもう
- ねことちゃんちゃんこ
- きんたろう
- つるのおんがえし
- 二つのおむすび
- さるじぞう
- くわんくわん
- さるとかに
- 人参さんとごぼうさんと、大根さん
- てんぐのうちわ
- むかでの医者むかえ
- ももたろう
- ねこのおどり
- わらしべ長者
- きつねとたぬきの化けくらべ
- おむすびころりん
- かもとりごんべえ
- とうふとこんにゃく
- いっすんぼうし
- かぐやひめ
- うらしまたろう
- かさじぞう
挨拶をさせる
朝、ご家庭で「おはよう」という習慣がある子どもは、登校時に近所の人や先生に会っても、明るく「おはようございます」と挨拶ができるのものです。
しかし、あいさつがきちんとできない子どもは、友だちと会っても知らん顔なので、相手からも無視されがちです。
子どものあいさつを習慣づけるには、大人があいさつをして見せることです。
と、書きたいのですが、いかがでしょうか?
ワタシ自身、幼稚園の送りで「おはよう」と元気に挨拶しているのですが年長になっても子どもは道行く人、先生方、お友だちに元気に「おはよう」とは言えませんでした。
周りを見わたすと、唯一、1人の女の子だけが元気に「おはよう」と言っていました。
彼女のお母さんも元気におはよう!という方です。
さて、ワタシと彼女との差はなんなのでしょうか。
いろいろ考えました。
そして、いろいろ調べました!
結論としては、
子どもの中には「シャイ」な子がいるということです 笑
そう、大きな声で自分から「おはよう」と言うのは、勇気がいるものです。
でも、大丈夫。
お母さんが毎日声かけをしていれば、小学校上がる前には必ず、子どももできるようになるでしょう。
気を付けなきゃいけない点は、決して叱らないこと。
「挨拶するよー」
「なんで挨拶しないのー」
なんてことは、言わないようにします。
子どもは、あいさつに対し、苦手意識を持ってしまいます。
しばらく様子をみることが一番です。
年長さんから小学校1年生になる。
お母さまにとっては、本当に緊張されることでしょう。
いろいろなことが不安だと思います。
これまで手をつないで登園していたのに、自分一人で学校へ向かうのですから。(集団登下校が採用されている地域もあります。)
そういう意味でも、お子さんとべったりの時間は残り少ないです。
この貴重な時間をお子さんと、是非、楽しんでお過ごしください。

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