構音障害の言語トレーニング(最終段階)
構音障害の言語トレーニングの初期段階については、前記事の構音障害の言語トレーニング(初期段階)で紹介しています。
一部、くり返しになるところがありますが、本記事でも言語トレーニングの実体験を紹介していきます。
4歳で言語トレーニングをスタートし、7カ月が過ぎてしまいました。
そう、過ぎて…ですっ。
就学前に終わればいいと周囲には話していましたが、ワタシのココロの中は、半年勝負!でしたから 笑
その間、子どもは4歳から5歳へ。
身長も体重も増加したので、自転車3人乗りもできなくなりました。
これにより、子どもは走って行く!という、とてもつもない労力が加わってしまいます。
やはり、トレーニングをさせる施設の場所選択は大切ですよねっ。
皆さんも、施設は自宅そばを選ばれることをお勧めします。
話を戻して…
いよいよ言語トレーニング最終段階。
子どもそれぞれで異なると思いますが、我が家の場合は、
- し
- しゃ、しゅ、しょ、しぇ
となります。
では、順に紹介していきます。
「し」のトレーニング
さ行の中で後回しにしていた「し」。
この「し」の訓練は本当に大変でした。
訓練ノートを見かえしてみると、4か月かかっています。
4か月ですよー。
どれだけ大変かご想像がつくのではないでしょうか。
そして、4か月間、進歩がないと、親も言語聴覚士さんも決断をくださなければなりません。
このまま訓練を続けるか、いったん訓練を休止するか。
なぜなら、5歳児の頭では、理解しても動作に移すことが難しいから「し」の上達ができない!と判断されるからです。
ふぅ、どう思います?
ワタシは、かなりショックでした。
そして、同時に、地味な怒り 笑
怒りはどこにあるかというと、子どもであり、聴覚士さんであったかなぁ…
どうして、集中できないの?
どうして、5歳児にもわかるように説明できないの?!
こうなってくると、親も大変ですっ。
今、実際に訓練に通っている方、通おうとされている方。
「し」の訓練の時は、覚悟された方がいいですよー。
それでも!終わりはやってきます。
夏休みが終わり、新学期とともに、「し」の発音が出るようになりました。
具体的な訓練の方法は、実は、どう説明したらいいか…
本当に難しいです。
その難しい説明を頭で理解し、口と唇、息を使い分けることは、5歳児には大変なことだったと思います。
40歳を過ぎたワタシでさえ、こうして文章に書くことができないのですから 笑
あと、「し」の音が出てきたら、ドリルでの反復練習です。
そして、日常会話で「し」の音をきちんと注意していきます。
使用したドリルを一部、抜粋しますね。
- あしが しびれて しまいました
- あしたの したくを しています
- おいしい おすしを たべました
- しずかに しごとを しています
- すこし しずかに してください
- しろい ぼうしを さがしています
- しんせんな いわしを めしあがれ
- もうすこし しんぼう しましょう
- シーツを おしいれに しまいました
- ことしの なしは あまくて おいしい
- あした うれしい おしらせが あります
- しまうまは しろと くろの しまがある
- おもしろい むかしばなしを してください
- しんぱいしないで あんしん してください
- あしたは アシカの ショーを みにいきましょう
- したの ひきだしに けしゴムを しまいました
- おとしよりが ねっしんに はなしあって いました
- あしたは あたらしい しろい くつしたを はきます
- しんかんせんで しずおかの しんせきのうちに いきます
- もしかしたら それは わたしの ぼうしかも しれません
- なかよしの しんちゃんが おいしい おかしを くれました
- はげしいじしんで しんかんせんが とまってしまいました
- はやしの なかで かぶとむしや もんしろちょうを さがしました
- ほしいほしいと おもっていた しろくまの シールを もらいました
リハビリを一時終了
冬になり、あと2カ月で幼稚園を卒園、そして、小学校入学です。
訓練のおかげで、子どもの会話は随分と聞き取れるようになりました。
それでも、きちんと発音できない音も残っています。
親としては、ここまでがんばったのだからアナウンサー試験にも合格できるような発音にさせたいと思っていました。
おかしいでしょうか?
でも、発音がきちんとできないことで、子どもが大きくなったときの夢を断ちたくないのです。
やはり…おかしいでしょうか? 笑
言語聴覚士さんの会話からは、リハビリはいったん終了しましょう…という雰囲気。
私は、
「子どもが、もし、アナウンサーになりたいと言ったら不合格になります。
なので、きちんと発音できるまでがんばりたいです」
と言いました。
すると、言語聴覚士さんは、
「その時がきてら、もう一度来てください。訓練してあげますよ!」と。
なるほど。
いい考えですね。
まずは、小学校にあがることへの不安点(言葉が聞き取れないことでコミュニケーションがとれなくなる、等)は解消されたので、リハビリは一時終了することにしました。
パパからも、
「気にしすぎだよ。一音一音の発音は、大人でもできていない人がいるでしょ!」と言われました・
確かに。
私は、少し気にしすぎていたのかもしれません。
そろそろ、止め時だったのでしょう。
こうして、長いながい、言語トレーニングも終了になったのです。
小学校進級後
少し、小学校での生活について紹介します。
2019年現在の都内の小学校では、入学してすぐに言葉の発達の様子を専門家が診ます。
そして、読み、書き、発音にフォローがいる場合は授業中に別場所で訓練をします。
別場所とは、地域の学校をエリア分けし、その中心校として選ばれた学校です。
エリアの中心の位置にあるので、どの小学校からも近距離にあります。
また、授業中ということで、平日の昼間に親が付き添うことになりますが、学校からの指示で通いますのでスムーズに進みます。
この点は、幼稚園での個人的に時間を取る作業よりは楽です。
ちなみに、我が家の子どもは、小学校になって1度だけ、幼稚園でお世話になっていた療育センターに行ったのですが、その時、学校を早退することで担任の先生に初めて言語トレーニングを受けていると報告しました。
なんと、先生は子ども発音の異常に気づかなかったようです。
日常的な会話は随分きれいになった証拠ですね。
前述しましたが、私は、一音いちおん気にしすぎています。
実は、今でも気になっています。
テレビをみていても、舌を出して会話する人が気になります。
よくないですね。
子どもに指摘しすぎても、言語トレーニングはうまくいきません。
子どもの性格にもよるのでしょうが、萎縮してしまうからです。
そばにいるママは、私を半面教師にしてゆったりとトレーニングすることをおすすめしたいです。
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