5歳ー6歳の喧嘩(けんか)
年長にあがり、5歳を過ぎてくると、子ども達は「けんか」からたくさんのことを学ぶことになります。
ワタシ達「親」が考えなくてはいけないことは、子どもに「けんか」から何を学ばせるかということです。
- 「けんか」は後味が悪い、などを感じる心を育む
- どうして「けんか」をしてしまったのだろう → きっかけや経緯を思い出させ、子どもの気持ちを整理させる
- ○○ちゃんは怒っていたなぁ → 相手の気持ちを想像する、思いやる心を育てる
- どちらかが負けを認めるのではなく、お互いに対等な立場で仲直りの方法を考えさせる
ことばの発達が未熟で、自分の感情をコントロールする能力が育っていない2歳児のけんか(→2歳の喧嘩(けんか)の対処方法)や自分の主張ばかりし譲り合うことができない3歳児のけんか(→3歳の喧嘩(けんか)の対処方法)からすごい成長だな、と感じませんか?
5歳ー6歳児は、自分の心をコントロールする力も身につき、自分のしたことを反省し、よくないことをしたときは謝ることもできるようになります。
一方、「けんか」は後味が悪いもですよね。
お母さんの中には、「うちの子は争いが嫌いな性格なのよね」
とおっしゃるお母さんもいます。
でも、いつもおとなしくしていたら、友だちに相手にしてもらえません。
ときには、「けんか」をしないとわかってもらえない場合があるのです。
子どもの成長を見守る親の態度しだいで、子どもは多くのことを学ぶようになるのです。
親は「どんどんけんかをしなさい!」と言う必要はありません。
その一方で、「人と仲良くやっていくこと」と対極にある「けんか」を通して、子ども達に学ばせていくことを心がけることが必要です。
自己開示をできない子ども
「けんか」から何を学ぶ?という事について前述しました。
「うちの子はけんかばかりして!」というのも親の悩みですが、自己を開示できない子どもは、もっと注意が必要です。
自己を開示する力というのは、
- 事実の開示(こういうことがあった、など)
- 感情の開示(うれしいのか、悲しいのか、苦しいのか、嫌いだ、好きだ、など)
- 価値観の開示(自分の考え、思うこと、こうしたい、など)
これらを相手に対し、自分の心のうちをつつみ隠さずに伝えることです。
難しいですね。
例えば、子どもが「今日、幼稚園で○○ちゃんを殴っちゃった」と言ってきたらどうしますか?
最初から子どもに、
- けんかは悪いことだと諭す
- 子どもの行為を責めるたりする
などしていませんか。
これでは、子どもの自己開示力は身に付きません。
子どもは、ありのままを話した時の相手(この場合、お母さん)の受け入れがよくなかったり、そうした嫌な体験が重なると、自己を外にださなくなります。
そして、子どもが本当に困ったとき、悩んでいるときに、打ち明ける相手がいない状況に陥ることになります。
(親としては、子どもにとっての最後の砦となりたいものです)
では、もし、子どもが幼稚園でけんかしちゃった!と言って来たらどうしたらよいでしょうか。
それは、ていねいに話を聞くことです。
- 「なるほど」
- 「大変だったね」
- 「そんなことがあったの?」
- 「それからどうしたの?」
- 「そんな風に感じたの?」
- 「どうすればよかったかな?」
など、子どもの話をよく聞きましょう。
そして、親の考えをわかりやすく伝え、一緒に考える姿勢を示すことです。
最後は、必ず「よく話してくれたね」「ありがとうね」と言ってあげましょう。
「我慢しなさい」「けんかはやめなさい!」といった親の先回りや干渉では、子どもは成長することができません。
最後に
親が子どもにとっての最後の砦、相談相手になるためには、信頼関係も必要ですが、私は「慣れ、習慣づけ」だと思います。
ワタシは、子どもが幼児期から意識してやっていることは、自分の気持ちを告げることです。
具体的には、
パパの実家におつかいに行くとき、
「外は暑いから嫌だけど、おばあちゃんが喜ぶから行ってくるね」
などです。
「おばあちゃんが喜ぶから行ってくるね」だけだと、私の本心が片手落ちです。
子どもは、きっと見抜きます。
でも、ここでちゃんと「嫌だけど…」というマイナスの気持ちも開示します。
子どもは、嫌だという気持ちを持ってもいいんだ…と感じます。
外は暑いですからね。
こういったことを習慣づけていると、自分の気持ちを親に出しやすくなるのでは?とある日、発見しました。
もちろん、口に出して言わないほうがいいこともあります。
成長過程で、また対応は変わっていくかもしれません。
しかし、この習慣が、思春期に入ったとき、自分の気持ちを親に出しやすくなると思っています。
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