3歳までに自己抑制力の身につけ方
自己抑制とは、辞書的な意味では「我慢すること」です。
最近、我慢できない・すぐにキレる大人が増えた、と言われています。
そうです。
この「我慢すること」が大人になってもできないのです。
我慢ができないと、いろいろな弊害が出てきます。
- 幼児期
自分の思い通りならないとイヤイヤしてしまいます。
滑り台の順番を待てない、お友達と仲良くできない、などの弊害が出てきます。
- 学童期
小学生になると、学校生活に弊害が出てきます。
45分間、着席できません。
これでは、勉強に集中もできません。
これらの延長線上に、キレる大人ができあがるのです。
怖いですね。
私たち、親は、しっかりと子どもを育てていかなければなりません。
この、自己抑制力も決してすぐには身に付きません。
繰り返し訓練し、習慣的に身につけていくことになります。
「我慢すること」は3歳までに土台をつくる
幼児期における自抑制力とは、「今は我慢して待つことができる」ではないでしょうか。
泣いている子供に、
「だめ!我慢しなさい」では難しく、きちんと理由を添えて
「今は我慢するよ。ごはんの後に遊ぼうね」と自分の欲望を引き延ばしできる力です。
そして、この自己抑制力が身に付くかどうかは、3歳が臨界点で幼稚園に入ってからでは手遅れだ(参考:自己抑制力を高める眼窩前頭皮質の大事な役割)と言われています。
私なりにいろいろ調べました。
そして、思います。
本当なのでは?と。
なぜなら、小学生にあがると、この自己抑制力がある子とない子では明らかに能力の差がでてきます。
そして、机上では教えることができない「今は我慢して待つよ」ということができないことは、そう簡単には修正できないのです。
わんぱくな子とか、落ち着きのない子とか、ガチャガチャしている子とか…そういった表現ではなく、「この子、何?宇宙人?」と感じてしまいます。
彼ら彼女たちに、「今は我慢して待つよ」を教えることは学校では不可能でしょう。
サラッと書いていますが、本当に怖いことです。
冒頭で書きましたが、自己抑制力が身に付くかどうかは、3歳が臨界点で幼稚園に入ってからでは手遅れです。
では、どうやって3歳までに自己抑制力の土台を作ればいいのでしょうか。
それは、「子ども中心の子育てをやめる」ことです。
少し語弊のある表現でしょうか。
実際、筆者は、過去も、今も、そしてこれから先もずっと、子ども中心の育児をしようと思っています。
具体的には、
- 子どもが欲しがるだけ抱っこしてあげる
- 子どもが欲しがるだけおっぱいをあげる
- 子どもが望むなら添い寝をしてあげる
こんな感じです。
さらに、筆者が読みあさった育児本には、こう書いてありました。
- 抱き癖なんか付かないよ、だから赤ちゃんが泣いたらいっぱい抱っこしてあげなさい。
- 子どもは母親の愛情不足だと、自立できない子になるよ。
- 母親の愛が子育てに必要だよ。
いかがでしょうか?
そのために、私たち達母親は、睡眠時間を削って赤ちゃんのためにおっぱいをあげ、そして、抱っこし続け、赤ちゃんを泣かせないよう奮闘してきました。
この育児方法が間違っていると、ある育児本は、言っています。
(参考図書:その子育ては科学的に間違っています 國米欣明)
この本を読んで、衝撃でした…
3歳までの育児がどれだけ大切かを再確認したのです。
(我が子はすでに、臨界点を超えていますが…)
では、「子ども中心の育児をやめる」をもう少し説明していきます。
断念の芽を育む
断念の芽をは、「あきらめる、次まで我慢する」です。
ダメなことなんだ、としっかり受け入れれるようにします。
これは、赤ちゃんにもできることです。
0歳の乳児期(1歳まで)
0歳の乳児期(1歳まで)にできることは、
- 授乳時間を決める
- 寝る時間を決める
- 泣いている理由がないとき(お腹も満足、服も汚れていない、抱っこも十分にした、体調もいい など)は、しばらく泣かせてあきらめさせる
をしていきます。
泣くからといって、決しておっぱいをすぐにあげません。
添い寝も、早い時期から無くします。
最後のあきらめて泣かなくなるまで待つ、ですが…
泣いている理由が特に見当たらない場合、通常はすぐに泣き止みます。
初めは、つらいですが、辛いのは親であって、子どもはすぐに笑顔になります。
ココ、ポイントです。
辛いのは親です。
泣いている赤ちゃんをそのままにしておくなんて、胸が痛みます。
でも、子どもはすぐに「ダメ」を覚え笑顔になります。
乳児期の子育て大切なのは、授乳と睡眠時間をきちんと管理し、生活リズムを作っていくこと(参考:1歳児の生活リズム)です。
子ども中心の子育てではなく、お母さんがハンドルを握って育児をします。
筆者の場合、結論から言いますと、授乳間隔はきちんと守っていたので、マル。
いくら愛する我が子が泣き叫ぼうが、授乳時間以外のミルクは決してあげませんでした。
筆者がいない時に、たまに、コソッと誰かがあげてたようですが 笑
睡眠時間は、ネントレを生後9か月から行い、それ以降は、きちんと管理できていたので、マル三角でしょうか。
ネントレについて少し補足をします。
それまで、添い寝をし、実際に寝付くまで2時間かかっていました。(←子どもが欲しがるまで添い乳もしていました)
ちょうど、夜泣きが始まる時期で、親の睡眠時間を確保することが出来なくなり、夫が調べて実行したネントレです。
まだ、9か月の子どもに、「今日から1人で寝るよー」と言い、部屋を暗くし、戸を閉め、親は部屋から出て行きます。
1日目、50分泣き続け、扉をなんとか開けようとし、疲れて、寝ました。
2日目、30分に、3日目、15分に…
1週間で、泣かなくなり、15分くらいゴソゴソして1人で寝るようになりました。
もっと早く添い寝をやめていれば、子どもは泣かないでネントレを実行できていたでしょう。
子育ては、後戻りできない!がここでも心に刻まれました。
しかも!この「あきらめる」という訓練は、早ければ早い方がいいのです。
なぜなら、赤ちゃんのときの悲しい記憶は、全く残らないため、子どもにとってストレスにはなりません。
1歳2歳3歳の幼児期
幼児期になったら、生活の中で「我慢すること」「先延ばしすること」を育てます。
外遊びの中や、買い物の中など、いろいろな場面で声をかけて訓練していきましょう。
- 滑り台の順番を守るよ
- 〇〇くんのおもちゃじゃないよ、返そうね
- おやつは買わないよ、家に帰ったらおやつにしようね
- 眠いね、家に帰ったらだっこしてあげるね
など。
「ダメ」を教えると代わりに「すること」を具体的に言ってもいいですね。
意味としては、「今は我慢!後でやろうね」です。
毎日の生活の中で、自己抑制力をしっかりと育んでいきましょう。
最後に…
イヤイヤしている1歳児2歳児を見かけることがあります。
何に原因があるのでしょうか?
皆さまは、もう想像がつきますね…
きちんと「我慢する」という心の土台をつくることができでいないからです。
自我が出てくる2歳児は、イヤイヤして当たり前と言います。
しかし、自我とイヤイヤは違います。
2歳までにしっかりと「我慢すること」を受け入れる訓練が積み重なっていれば、魔の2歳児にイヤイヤすることは少ないはずです。
自分でやりたい!こっちではない!服はこれ!歩きたい!
2歳になって自我が出てくるとは、こういった行動でしょう。
3歳の臨界点まで、あと少し。
どうか、将来、我慢できる子、キレない子になるようお子さんを育てていきましょう。
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