自己抑制力を高める眼窩前頭皮質の大事な役割
最近になって、自己抑制力にとって「眼窩前頭皮質」の役割がとても大きいとわかってきました。
がんかぜんとうひしつ、と読みます。
眼窩前頭皮質は、前頭前野の一部です。
皆さんは聞いたことがありましたか?
筆者は、初めてでした。
そして、衝撃でした。
さらに、本サイトの命題でもある「幼児期に頭と性格のいい子の土台を作るコツ」の究極なモノ、結論?!ではないか…と思うほどです。
大げさな表現になっていますが、この記事を最後まで読んだ後に「なるほど」と思っていただけるのではないでしょうか。
脳の構造について、ここでは詳しく書きませんが、眼窩前頭皮質が自己抑制力に大きい役割を持っているメカニズムを説明します。
脳の構造や役割、研究結果は、とても難しい表現でして…なかなか筆者の頭に入ってきません 笑
それでも、資料を何度もなんども読み返し、なんとか筆者なりの言葉でまとめました。
そのため、表現がおかしいのでは?とご指摘を受けるかもしれません。
しかし、「大事なんだ!」「ニュアンスがわかる!」を目指して記事を書きますので、ご了承ください。
人間の大脳には、「脳幹部」、動物的な「大脳辺縁系」と人間的な「大脳新皮質」があります。
脳幹部については、眼窩前頭皮質の話と離れているので説明は省略します。
衝動的な行動をとる脳「大脳辺縁系」、理性的な行動をとる脳「大脳新皮質」と理解するとわかりやすいです。
眼窩前頭皮質が発達することで、人間は怒りや恨み嫉妬などの感情を理性的に抑えることができる、自分をコントロールすることができます。
これが、自己抑制力にとって「眼窩前頭皮質」の役割が大きいという理由です。
さらに、重要なことに、「大脳辺縁系」と「大脳新皮質」との間には直接に抑制的に働くシナプスがなく、全てのコントロールは、眼窩前頭皮質を経由するということも分かってきました。
筆者の中のイメージ図はこんな感じです 笑
上の虹のような橋を作ってくれるのが、眼窩前頭皮質です。
そして、その橋が無いと…人間は理性で感情を抑えることができないのです!
もし、この橋がなければ、(もし、眼窩前頭皮質の発達が未成熟だったり、ひどく損傷されたりしたら…)脳に全く損傷が無くても知性や理性で感情をコントロールできません。
知性や理性をきちんと兼ね備えていても、感情や怒り嫉妬を抑えれないのです。
怖いですね。
そして、筆者が書いた絵にもありますが、この眼窩前頭皮質の発達は、3歳が臨界点と言われています。
3歳を過ぎると、それ以上の発達は難しいということです。
自己抑制力のある人間に育てるためには、3歳までに自己抑制力の基礎を作っておかなければならない理由がここにあるのです。
では、もう少し眼窩前頭皮質の役割を紹介します。
眼窩前頭皮質の役割
- 自己抑制力(自制心)の中枢
- 相手に感情移入ができる
- 相手に共感することができる
- 顔の表情が豊かになる
自己抑制力の中枢
自己抑制力で大事なことは、自分の感情を抑えることができるかどうかです。
ここ最近指摘されている「すぐにキレる子ども」には、この自分の感情を抑えることができないのです。
3歳までの脳の発達とその後の子どもの性格が関連しているとはっきりわかるでしょう。
相手に感情移入ができる
相手に感情移入ができるとは、例えば、
- けがをしたお友だちを見て「痛そうだなぁ」
- 飼っていた犬が死んで泣いているお友だちを見て「かわいそうだなぁ」
と相手の気持ちになって同じ感情を持てる能力のことです。
この感情移入ができないと、相手の気持ちをわかったり、相手の立場になって物事を考えることができません。
私たち母親が望む思いやりのある優しい子にはならないのです。
もし、眼窩前頭皮質が未成熟だと、自己中心的で思いやりがなく、自分の思い通りにならないと相手の気持ちを考えずに、いきなりキレてしまうでしょう。
相手に共感する能力
相手に共感する能力とは、例えば、何か他人から言われた時に
- 「それもそうだなぁ」
- 「そういわれれば、そうだなぁ」
と、相手と同じように考え共感できる能力です。
これができなければ、何をいっても理解できません。
協調性も協力性も得られません。
これは、コミュニケーションの根本となるところなので、重大な問題です。
もし、眼窩前頭皮質が未成熟だと、何を言っても「関係ないだろ!ほっといてくれ」となるでしょう。
親の言うことも先生のいうことも聞き入れようとしません。
「俺(私)には関係ない!」と最初から否定してしまうのは、共感能力が欠けているからです。
顔の表情が豊かになる
顔の表情はコミュニケーションをとるうえで重要な役割を果たします。
眼窩前頭皮質の発達は、その顔の表にも表れます。
目が輝いていて、話しかける相手の目をじっと見つめ、話の内容を理解しようと一生懸命意識を集中させます。
表情もいきいきとし、内容を理解できたら。共感し、表情に表します。
眼窩前頭皮質が未成熟な子どもは、目の輝きがなく、話しかけても注力が乏しく、話を理解できたかどうかもわかりません。
顔の表情は無表情で、なにを考えているか分からないのです。
最後に…
「顔の表情が豊かになる」という研究結果は、筆者自身、とても驚きました。
人の目を見て会話ができることの大切さ、目が輝いていることの素敵さ。
そして、本サイトのメインテーマである、「頭と性格のいい子の土台を作る」に密接に関係していると確信しています。
そのためには、お母さんがお子さんにしっかりと語りかける、お子さんの興味にしっかりと答えていくなど、お母さんの力がとても大切です。
決して、DVDを見せてればいいや!ではいけないのです。
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